2021年6月我が家にやってきた保護犬の柴犬めしうま。
フィラリア陽性犬でしたが、先日(2022年4月)検査したらなんと陰性になっていました。
フィラリア陽性‥フィラリアの成虫が犬の心臓に寄生してる状態です。
(ソーメンみたいな寄生虫です)
簡単に駆除できないので地道な治療が必要で、陰性になるまで3〜5年くらいかかると言われていました。
が、10ヶ月で陰性になっていました。
(それより前に陰性だったかも)
思ったよりも早く陰転(陽性だったのが陰性に転じること)したのですが、どんな治療法をしたのか?
書いていこうと思います。
※フィラリアの事について独学で勉強しましたが、医療知識のない素人が書いてますので、間違えてるところもあるかもしれません。うちの子の場合はということで、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。
フィラリアの治療法
フィラリアの治療法は
外科手術・駆除薬で成虫を殺す・温存療法
などありますがそう簡単に治療できるわけではありません。
というのも、冒頭でも書きましたが、フィラリア成虫は心臓や肺動脈に住み着きます。
心臓内に入られると、腸に住む寄生虫のようにそう簡単に殺せません。
外科手術もリスクがあるので、緊急時くらいしか行わないそうです。
駆除薬を飲ませる方法も、一気に死ぬと死んだフィラリアが血管内で詰まる可能性があり、こちらもリスクが高いのであまり行いません。
残るは温存療法。
今以上にフィラリアを増やさない為に、予防薬を飲んで、心臓内のフィラリアが死ぬのを待つというもの。
普通はこの温存療法で治療することが多いようです。
でも、なんだかなぁ。
安全に積極的にやっつける方法はないのかしら?
と思っていたら、あったのです。
それは、ボルバキア治療というもの。
フィラリアの中には「ボルバキア」という細菌が共生しているのだとか。
この細菌を殺すとフィラリアも弱って早く死ぬそうです。
詳しくはフィラリア陽性の犬の里親になる!に書いてます。
めしうまのフィラリア治療『ボルバキア治療』
3つしか治療法がないと思っていましたが、めしうまを診てくれた先生はボルバキア治療をしてくれました。
ボルバキア治療は
- 1日1回、毎日抗生物質を飲む
- 1ヶ月飲んでから様子を見る
- これを何クールか続ける
というものでした。
が、最初先生から明確に「ボルバキア治療をします」
と言われた訳ではありません。
フィラリアによって心臓やその他臓器にダメージがあるかもしれないので、それを修復するために1ヶ月薬を飲んで下さい。運動も軽い散歩だけで極力控えて下さい。
と説明されただけでした。
なんでこんなに毎日薬を飲むのだろう?
抗生物質を1ヶ月も飲んで大丈夫?
と思って調べると、どうやらボルバキア治療という方法のようだ。
で、病院に問い合わせると
そうですよ。あまり難しい話を最初にすると分かりにくいかと思い簡単に説明しました。
とのことでした。
毎日抗生物質を飲ませるのは結構大変でした。
ウェットフードやおやつに薬をしのばせて与えていたのですが、一番役に立ったのはいなば ちゅるビ〜でした。
中に薬を入れやすくて助かりました。
まだ来て間もない保護犬に、信頼関係もできてないのに毎日薬を飲ませるという、治療だけど罪悪感…
抗生物質を1ヶ月も飲ませて、耐性菌とか大丈夫なの?という不安。
薬を飲ませはじめて4日後くらいから、散歩であまり歩かなくなったりしたので、薬のせい?と心配になったりしました。
(が、歩かないのは薬とは関係ないようでした)
そんなこんなで何とか1ヶ月飲ませ終わって、やっと様子見だと思ったら
また2週間分処方されました。
正直、え?まだ飲ませる?
こんなに飲ませて大丈夫?
と、不安と迷いもありながら2週間与えてから病院に行きました。
ボルバキア治療を1ヶ月半行った後
1ヶ月以上薬を飲んだので、今日は採血してフィラリアの検査してくれるんですか?
と聞いたら
採血はしませんよ。この子の血にはミクロフィラリアはいないですよ。
(ミクロフィラリアとは、フィラリア成虫が産む子虫の事。子虫は血液中を流れています。)
え?!そうなんですか?
あ、最初の時伝えてなかったですか?この子の血にはミクロフィラリアはいないんですよ。でも気になるなら一応採血しておきましょうか。
そう、最初病院でめしうまが検査を受けた時、私は親と一緒に行っていたのですが、私が忘れ物をしたので途中取りに帰ってたのです。その間親が先生の説明を聞いていたのです。
採血後・・・
やっぱりミクロフィラリアはいないけど、フィラリア抗原検査は陽性なので、心臓の成虫はいますね。
ミクロフィラリアがいないというのは、フィラリアの数が少ないって事ですか?
そうですね。少ないか、オスかメスの片方しかいないか、生殖機能が落ちて弱ってるかですね。心音を聞いても調子良さそうなので、もう普通のフィラリア予防薬だけ毎月飲ませるようにしましょうか。
も、、、、
もっと早く知りたかった、、、、、
私の不安に思った日々が、、、、
という思いと同時に
そんなに悪い状態じゃないと分かった。
普通の子と同じ予防薬だけの治療になる。
と、めちゃくちゃほっとしました。
そして10ヶ月後、フィラリア陰性に!
2022年4月、フィラリア治療を開始して10ヶ月が経ちました。
狂犬病予防注射とフィラリア予防薬をもらいに病院へ。
実を言うと私、「ミクロフィラリアはいない」
と言われたこともそこまで信じてなかったんです。
理由は、ミクロフィラリアの検査は血液をスライドガラスに乗せて、直接見るという方法でされてたのですが(直接塗抹観察法)この検査方法、偽陰性が出やすいそうです。
実はいるのに検出されないパターンですね。
なので、今回の受診で「やっぱりミクロフィラリアがいました」
となったら辛いけど、覚悟もしておこうと思って行きました。
採血してまずはミクロフィラリアがないか先生が顕微鏡で見ます。
ミクロフィラリアはいないですね。
続いて抗原検査(成虫がいるかどうかの検査)
こちらはフィラリア抗原検査キットで判定されますが、結果が出るまで10分程度かかります。まだかな〜と思いながら待っていたら
うん、フィラリアいないですね。陰性でした。良かったですね!
え?まじで?
びっくり仰天。
でもめちゃくちゃ嬉しい…。
フィラリアとは長い付き合いになると思っていたので
「優しく共存して、優しくお亡くなりになってね」
の思いを込めてめしうまの心臓らへんを毎日さすっていたのですが、お亡くなりになってくれたようです。
色んな思いが込み上げました。
なかなかめしうまを飼う決断を下せなかった。
治療中も不安だらけでした。
こんなに薬飲ませて良いの?余計体悪くなってしまわないかな?
と治療に不安と迷いもあったけれど
先生を信じて、ボルバキア治療をして良かった。
こんなに早く陰性になったのは、多分ボルバキア治療のおかげだろうと、勝手に思っています。
長々と書いてしまった。
保護犬を迎え入れようと思って
でも飼いたい子がフィラリアで、どうしようと思われてる方に、少しでも希望を持って欲しいと思いました。
私もすごく悩みましたが、めしうまが来てから10ヶ月、フィラリアは陰転してくれました。
最後に…
フィラリア陰性になった!陰転して良かった〜!
とぬか喜びしているように見えるかもしれませんが、実はこれは一つの区切りかなと冷静な目で見ている自分がいます。
というのも、単純に偽陰性の可能性もあるだろうってことと
あとは、フィラリアって死んでも心臓内にいるはず?
死んだフィラリアはどこいくんだろ?
そこが分からないんですよね。今度病院で聞いてみよう。
それにフィラリアによって傷ついたところはもう治らないんですよね。
だから、フィラリアが陰性になったからって激しいスポーツができるかというとそれはダメで。心臓病扱いなのは変わらないんです。
だから今まで通り、普通のワンコよりは慎重に。
でも、一つ大きな荷物が降ろせた、そんな感じです。
フィラリアに対する危機感が薄くて予防が必要ないとの声も
最後にって書いておいて、長い…笑
この記事を書く前に、フィラリアについての知識って一般的にどんなものだろうと色々と個人ブログなどを見てみたのですが
「フィラリア予防薬って必要ある?」
と言ってる方も少なくなく
もうフィラリアはひと昔前の病気で、今時フィラリアなんてあるの?
または
フィラリアって言葉は聞いたことあるけど、何だろー?
くらいの認識の方もまぁまぁいるなという印象でした。
フィラリアの予防が定着した→フィラリア症の犬が減った→フィラリアの認知度が減った
という感じでしょうか。
が、フィラリアは今も普通にある病気ですし、かかってしまうと本当に怖い、そしてやっかいな病気です。
フィラリアが怖い&やっかい理由
①治療に時間がかかり大変
②陰転しても傷ついた臓器や血管は元に戻らない
③気づかないうちに進行している
④重症になると症状がとてもしんどそう(で見てる方も辛い)
フィラリア予防の知識がなく、予防薬を飲ませてなくて、愛犬が調子が悪くて病院にいったらフィラリアだったとその時分かったというケースもあるそうです。
しかも、最近の獣医さんはフィラリア症の犬を診たことがない方もいるようで…
(飼い主も無知、獣医さんも経験値が少ないとなると最悪…)
フィラリアの予防って大事だなと、フィラリア陽性の犬を飼うことでつくづく実感しました。
もう5月、フィラリア予防薬をしっかり飲ませてあげてくださいね!
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